逆行するの直営の小規模保育施設の設置
人口増加の影響もあり、多数の待機児童が生じている吹田市では、待機児童解消アクションプランを策定し、その解消を目指し進めています。そのような中、11月議会では、かつて母子ホームとして使用していたいずみ保育園の2階部分(吹田市泉町)に小規模保育施設を設置しようとする提案がなされました。
えのき内は、保育施設の設置には賛成ですが、問題はこの施設を直営施設として設置することです(直営施設としては吹田市初)。定員19人以下となる小規模保育事業は、全国的にも、ほとんどが民間事業者によって運営されており、なにも直営でやらずともこの場所を提供すれば民間で十分運営可能です。
なお、保育園については、前市長の時代に民営化方針が決定しており、現在5園の民営化が進められています。児童一人当たりの市の負担額が、民間と比べ約3倍となる直営の保育園の民営化を進めることで、浮いた費用(1園あたり年間8000万円)で、さらに保育施策の拡充にあてようとしてきました。
この度、後藤市長の下、提案された直営の小規模保育事業は、民間で運営するのと比べ年間1200万円の費用が余計にかかる状況で、これまでの方針に大きく逆行しています。
民間との連携はしたくないのか
小規模保育施設は卒園後の受入れ先やその他の支援を行う連携施設(保育園)の確保が求められていますが、本市の民間施設では連携がなかなか進んでいません。市は、直営のほうが連携しやすいと主張し、民間との連携は困難でやりたくないということを自ら告白しているような状況です。むしろ民間に委ね、官民連携支援のモデルケースとして推進すべきではないかと思います。
真の理由は職場確保か!?
今回の直営の小規模保育施設の設置は、保育園の民営化を行うのと、とき同じくして開設しようとしています。こんなタイミングでわざわざ前例のない直営施設を設置する真の狙いは、民営化で余る職員の職場を確保のための施設設置ではないかと強く疑われます。
職員労働組合が猛反対してきた民営化路線を、職員出身の後藤市長が、事実上骨抜きにし、子どものための施策を装いながら、職員自らのための施策を行うとすれば許すことはできません。